羽毛布団、いったいどれを選んだらいいの?
なんでこんなに値段が違うの?
安くても不安だし、高いのは買えないわ
こんな風に感じている人に向けた内容です
ついのすみかづくり(@tsuinosumika15)
整理収納アドバイザーの akemiです
有名なブランド品なら
数万数十万円しても安心して買えますが
値段がピンからキリまである羽毛布団は
- 中身が見えない
- 何を信用していいのか分からない
といった理由で
選ぶのが難しいと感じます
素人が見えないものの価値を見極めるには
信用できるところ・もので選ぶしかありません
- 信用の目安
- 品質表示の見方
について
わが家が5年前に買い替えた時の知識から
後悔しない羽毛布団の選び方をご紹介します
最高品質とは言えませんが
それでも納得満足したモノが選べたと思っています
おすすめの羽毛布団の条件
- 良質な羽毛
- 適した充填量
- 通気性の良い側生地
この条件をもとに
信用できるラベル、またはメーカー品で
予算に合わせて選ぶのが
安心で後悔がないのかなと思います
なぜなら
①良質な羽毛は
商品になった時には中身が見えないから
目安は
- ダウンパワー dp400以上
ゴールドラベル→ロイヤルゴールド以上
CLIギャランティーラベル→ゴールドラベル以上 - ダウン率 90%以上
- 羽毛の種類 グース > ダック
- 側生地 綿100%以上
正直、品質にこだわればきりがありません
でも、羽毛布団の良さが感じられる
基準になるのではないでしょうか
信用の目安
中身が見えないものだから
- ラベルで選ぶ
- メーカーで選ぶ
この2つが目安になります
羽毛の品質を保証してくれるラベルや
長年業界に携わっているメーカーには
ある程度の信頼性はあると感じています
ラベル
ゴールドラベル
日本羽毛製品協同組合※が発行する
品質推奨ラベルです
※日本を代表する中立公正な認定試験機関にて
品質試験を行い、厳しい目で事業者をチェックする組織
羽毛の品質によって4つのグレードに分類
国産の羽毛布団にのみ発行されています
プレミアム | ロイヤル | エクセル | ニュー |
---|---|---|---|
その他推奨ラベルには、リサイクル羽毛ラベル、リフォームラベル、ダウンウエアラベルがあります
CILギャランティーラベル
Comfort Index Lab※(快適睡眠環境研究所)
が発行するギャランティーラベルです
※羽毛に特化した検査機関でシリアルナンバーで管理
プラチナ | ブラック | ゴールド | シルバー | レッド |
---|---|---|---|---|
全部で10種類(バージン羽毛7種類、リサイクル羽毛3種類)のグレードがあります
シリアルナンバーから
- 羽毛原料の合格認定日
- 羽毛原料と品質
を、サイト上で確認できる
信頼性の高いラベルです
J-TASラベル
日本寝具寝装品協会が
日本羽毛製品共同組合と共同開発した
羽毛のトレーサビリティ監査システム※です
※その製品が、いつ、どこで、だれによって作られたのかといった製品の起源や移動経路、加工過程などを特定することができるシステムのこと
羽毛産地の証明を目的として開発され
2018年にスタートしました
監査を通過した製品に
J-TASラベルが付与されます
このラベルが縫い付けられた製品は
羽毛の産地から製品まで追跡調査ができます
まだ始まって間がなく
認定を受けたメーカーも少ないのですが
今後の普及を期待するラベルです
メーカー
高品質の羽毛布団を製造している
一流の寝具メーカーは、各社それぞれ
独自の厳しい品質基準を設けているため
ラベルによるランク付けを行っていません
- 西川(株)
東京西川(西川産業)/大阪西川(西川リビング)/京都西川が2019年統合 - 昭和西川
- ロマンス小杉
- 京都金桝 など
もちろん
有名なメーカーだから「全ての商品が良い」
というわけではありませんが
長い間商売を続けてきているということは
それだけ消費者から信用を勝ち得ている
と考えられます
ただ、残念なことに
過去においては、ラベルでもメーカーでも
偽装はありました
だからこそ
あくまでも目安のひとつとして
選ぶための知識は必要になります
ラベルで分かること
ダウンパワー
ダウンパワーとは
羽毛のふくらみを数値化したものです
羽毛は大きくふくらんで空気を含むことで
保温性が高くなります
よい羽毛ほど、重さあたりの体積が大きく
より多くの空気を含みます
- dp300以上…標準
- dp350以上…良質
- dp400以上…高品質
- dp440以上…最高級品質
ゴールドラベル
dp440 | dp400 | dp350 | dp300 |
---|---|---|---|
440㎤/g以上 かさ高18.0cm以上 | 400㎤/g以上 かさ高16.5cm以上 | 350㎤/g以上 かさ高14.5cm以上 | 300㎤/g以上 かさ高12.0cm以上 |
プレミアム | ロイヤル | エクセル | ニュー |
CILギャランティーラベル
dp480 | dp440 | dp400 | dp350 | dp300 |
---|---|---|---|---|
かさ高20.0cm | かさ高18.0cm | かさ高16.5cm | かさ高14.5cm | かさ高12.0cm |
プラチナ | ブラック | ゴールド | シルバー | レッド |
ダウン率
ダウン率とは
ダウンとフェザーの割合を表した数値です
- 羽毛(ダウン)…球状
- 羽根(フェザー)…平面的で羽軸がある
品質表示ラベルには
ダウン○% フェザー○%と表示されています
ゴールドラベル
93%以上 | 90%以上 | 80%以上 | 50%以上 |
---|---|---|---|
プレミアム | ロイヤル | エクセル | ニュー |
CILギャランティーラベル
95%以上 | 95%以上 | 93%以上 | 90%以上 | 85%以上 |
---|---|---|---|---|
プラチナ | ブラック | ゴールド | シルバー | レッド |
フェザーは吸湿性に優れていますが
膨らむことができないため
羽毛布団の素材としてはダウンに劣ります
そのため
ダウンの割合が多ければ多いほど高品質
だとされています
なお、選別の工程上どうしても
ダウンとフェザーの完全な分離は難しく
ダウン比率100%のものは存在しません
フェザーには、毛玉防止の役割もあり
高級品でも少量入れるのが普通だそうです
また、ダウン比率が50%に満たない布団は
羽根布団と呼ばれます
清浄度
羽毛布団の清浄度とは
羽毛がどれだけ綺麗に洗浄されているか
を表す、JIS規格で定められた数値のことです
世界一厳しいとされる日本の品質規格は
JIS規格では清浄度500mm以上を求めています
ゴールドラベル
1000mm以上 | 1000mm以上 | 500mm以上 | 500mm以上 |
---|---|---|---|
プレミアム | ロイヤル | エクセル | ニュー |
CILギャランティーラベル
1000mm基準 | 1000mm基準 | 1000mm基準 | 800mm基準 | 800mm基準 |
---|---|---|---|---|
プラチナ | ブラック | ゴールド | シルバー | レッド |
清浄度の数字が大きいほど
臭いが少なくて清潔です
どれだけ羽毛が丁寧に洗浄されているかは
清浄度の数値で判断することができます
酸素計数
酸素計数とは
羽毛に臭いの原因となる有機物が
どの程度残っているかを調べた数値です
数値がゼロに近いほど臭いが少なく
清潔な羽毛布団であるといえます
ゴールドラベル
CILギャランティーラベルともに
4.8mg以下を認定基準としています
ただ、羽毛布団に使われる羽毛は
どれほど丁寧に洗浄したとしても
完全に有機物を取り除くことはできません
洗浄が不十分な羽毛布団の場合は
水鳥の糞やアカが残っていることがあり
これらの物質に反応して
アレルギー反応を起こす場合があるので
アレルギー体質の人は特に注意したい数値です
あくまでも、これらは目安のひとつであり
ラベルだけで羽毛布団の良し悪しは
決まりません
品質表示票で分かること
- 羽毛の種類
- 羽毛の産地
- 側生地の種類
品質表示票に記載されている情報は
最低限の基本情報しかありませんが
品質を見極める項目が記載されています
羽毛の種類
羽毛は、水鳥※の胸の部分にある綿毛で
※水面や水辺で生息する鳥
アヒル(duckダック)より
ガチョウ(gooseグース)の方が身体が大きく
ひとつひとつの羽毛が大きいため
品質が高くなります
水鳥のランク
- マザーグース(ホワイト・シルバー)
- グース(ホワイト・シルバー)
- ダック(ホワイト・シルバー)
※アイダーダックという保護鳥である品種を除く
ホワイトとシルバーは羽毛の色のことで
品質に違いはありません
ただ、無地の側生地の場合は
ホワイトでないと透けるといった理由で
同等品質でも安くなっています
また
- グース → 草食 獣臭が弱い
- ダック → 雑食 獣臭が強い
という違いもあります
羽毛の産地
国産の羽毛布団はあっても
国産の羽毛というのはありません
日本は羽毛を100%輸入に頼っています
北緯50度前後の
ダウンベルトと呼ばれる地域は
気候も寒く、寒暖差が激く
水鳥が寒さから身を守るため
保温性の高い羽毛になります
なので、羽毛の品質は
産地国にも大きく影響します
- 気候条件
- 生産管理
ヨーロッパ
- ポーランド
- ハンガリー
- フランス
- ドイツ など
その中でも
ポーランドとハンガリーは国策事業として
ダウンの品種改良に努めてきた歴史と
水鳥を飼育するのに適した自然環境により
高品質な羽毛で有名です
中国・台湾
日本へ輸入される羽毛の90%は
アジア産です
中国は、世界最大の
ダックの羽毛の産地として有名ですが
一方で、中国のダウンは品質が悪い
と言われることが多いのも確か
しかし、ダウンベルトに近い吉林省などは
羽毛の生産に力を入れており
品質管理もしっかりしているそうです
ただ
「米なら魚沼産コシヒカリ」のように
羽毛の詳細な産地を特定するのは
難しいのが現状です
同じダウン率でも、値段が違うのは
ダウンの質が違うからです
生育期間の短い小さくて未熟なダウンは
数年でつぶれてしまいます
それが、産地にこだわる理由です
側生地の種類
羽毛の質以上に大事だといわれているのが
側生地の素材です
できるだけ
ポリエステル比率は少ない方がいい
と言われています
その理由は、ポリエステル繊維は
吸水性がなく、吸湿性も低いため
寝ている間の汗や熱を吸収できずに
布団内が蒸れて寝苦しくなるからです
蒸れにくいのが利点のダウンが
ポリエステルだと蒸れてしまいます
あたたかいのではなく
暑いと感じる布団になってしまいます
また、羽毛が外に飛び出ないように
通常、側生地には加工がされます
それが更に通気性が悪くなる原因にも
それでも使われているのは
安価なので価格を下げられること
そして、軽さを出すことが理由です
吸湿性 | 音 | 軽さ | 肌触り | 耐久性 | |
---|---|---|---|---|---|
綿 | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
ポリエステル | △ | △ | ◎ | ○ | ○ |
おすすめは綿100%ですが
綿にもグレードがあり
- 超長綿(繊維の長さ)
繊維の長さが平均35mm以上の綿 - 番手(糸の細さ)
数字が大きくなるほど細い糸
によっても
軽さや肌あたり、吸湿性や通気性が変わります
シルクも高級生地になりますが
肌触りがとても滑らかで、やわらかい反面
耐久性・耐候性に欠けるため
手入れや管理、洗濯に手間がかかります
基本的に
羽毛布団の寿命をのばすためには
布団カバーをするのが必須です
そのときにも
シルクや質のいい綿を選ぶのが
いいのではないでしょうか
その他にも
- 充填量
- キルト加工法
などは、より自分に合ったモノを選ぶ時に
必要な知識になります
羽毛布団選びは奥が深く
納得して選ぶために
知識を持って選ぶことが大事です
▼こちらの記事も参考にしてみて下さい
▼いい羽毛布団とこのガーゼケットがあればいい眠りが得られます
まとめ
後悔しない羽毛布団の選び方
どんなに高いブランドのバッグや靴も
毎日は持てないし履けませんが
いい寝具は、毎日使えます
そんなことに気がついてからは
暮らしはどんどん心地よくなりました